発売日の銀座へ、少し早めに向かった
2023年10月14日、ストーンアイランドとドーバー ストリート マーケットのリミテッドコレクションが銀座店で発売されました。アートフェア「Frieze London 2023」に合わせた企画で、ストーンアイランドがオフィシャルパートナーを務めている縁から生まれたそうです。ラインナップは黒のアウター、トップス、パンツなど全20型。私は開店前から並ぶ気力はなかったものの、少し早めに家を出て、午前のうちに店へ入りました。結果として、気になっていたものを手に取って試す時間は十分にありました。
1階のインスタレーションで気分が上がる
売り場に入る前に、1階の「エレファントスペース」で行われていた1999年秋冬のアーカイブ19点のインスタレーションを見ました。四半世紀近く前のピースが並ぶ光景は、単なる販売イベントを超えた厚みがあります。今回の黒い新作が、ブランドの長い実験の歴史の延長線上にあると実感できました。服を買う前に、その背景に触れられたのは大きな収穫です。買い物の気持ちが「欲しい」から「納得して選ぶ」に変わりました。
私が選んだのは「ゴースト」のロングパーカ
20型のうち、私が選んだのはカプセルコレクション「ゴースト」のロングパーカです。ゴーストは、コンパスバッジを含めてすべてを黒で統一したシリーズ。通常のストーンアイランドは、バッジの存在感が魅力ですが、ここではバッジまで黒に溶け込んでいて、近くで見てようやく気づくほどの控えめさです。主張しないのに存在感がある、という不思議なバランスが、決め手になりました。黒が好きな人ほど、この静けさに惹かれるはずです。
着心地と素材感について
肝心の着心地です。ロングパーカは丈があるぶん、羽織ったときの落ち感がきれいで、重さで肩が疲れるということはありませんでした。素材の細かな仕様までは把握していないため断定は避けますが、手触りには黒一色だからこそ分かる繊細な表情があり、光の当たり方で見え方が変わります。一方、黒は埃や毛が目立ちやすいので、着用後にブラシで軽く払う習慣がつきました。手入れの手間は、正直に書いておきます。
手持ちの服との合わせ方
コーディネートは、グレーのスウェットに黒のワイドパンツを合わせ、足元は白いスニーカーで抜くのが気に入っています。全身を黒でまとめると重たくなるので、どこか一か所に明るい色を置くと軽さが出ます。ロングパーカの丈を活かして、インナーは短めのトップスにすると、縦のラインが強調されます。逆に、柄物や鮮やかな色の服と合わせると、ゴーストの静かな魅力が埋もれてしまう印象でした。
他ブランドの黒と比べる
比較として、手持ちのアイテムと並べてみました。ユニクロの黒いパーカは価格も手軽で、日常着としては十分優秀です。ただ、黒の深みと仕立ての緊張感は、やはり別物でした。ヨウジヤマモトのような黒を得意とするブランドは、シルエットの造形で見せる方向で、ストーンアイランドの実用寄りの発想とは対照的です。アークテリクスの黒いアウターは機能面で優れますが、こうした「ブランドの遊び心」を感じる部分は少なめです。
気になった点
気になった点もあります。まず、限定コレクションのため、サイズ選びの余地が狭いこと。次に、黒の統一は美しい反面、コーディネートの幅を狭める可能性があること。そして、価格は決して手頃ではないだろうという心構えが必要なことです。私は試着で丈感と肩まわりを念入りに確認しました。特にロングパーカは、身長や体型によって印象が大きく変わるので、必ず店頭で羽織ってください。
結論:黒好きの「静かな一着」として買い
私の結論は、「買ってよかった」です。派手に主張する服ではなく、着るたびに生地の表情や黒の深みに気づく、静かな満足感がある一着でした。黒中心のワードローブを持っていて、ブランドの背景も含めて楽しみたい人にはおすすめです。一方、色柄で遊びたい人や、手軽さを重視する人には向きません。発売時期を過ぎても、店頭やオンラインの情報を確認して、自分の一着を探してみてください。